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 私が所属する生産技術部では、生産現場から上がってきたテーマや現場では対応できない先端分野の技術開発を手がけています。入社1年目には製品の色調を連続して計測する技術を担当。その開発に一定の目途が立ったところで、多層膜フィルムを構成する個々の層の厚さをインラインで計測する技術の研究開発に加わることになりました。
これまで、多層膜フィルムの計測は抜取検査で、切り取った断片を計測器にかけて測定しており、リアルタイムにデータを取ることができませんでした。これをインラインで計測できるようになれば、製品の歩留まりが上がり、品質の向上にも大きく寄与することができます。私たちが最初に取り組んだのは、単波長の光を用いた計測システムでした。装置を試作し、生産技術部内の開発設備に組み込んで実験を繰り返したのですが、インラインという条件下ではラインを流れていくフィルムの揺れや設備の震動などの影響で測定エラーが頻出。とても実用に耐え得るものではありませんでした。
 手法の変更を余儀なくされた私たちは、チーム内で検討を重ねた結果、多波長による計測に可能性を見出しました。私に任されたのは、多波長を使った計測に関する調査でした。開発の方向性に沿って、さまざまな資料を収集し、分析・検討していきました。その結果、単波長と異なり、多波長では各波長の反射を検出、干渉縞を計測することで高い精度と安定した測定が可能なことが分かってきました。分解能も単波長では1μだったものが、多波長では0.1μまで向上します。しかし、そのためには分光器など、各種機器の性能をさらに改善する必要がありました。
ハード、ソフトウェアを含めて、システムに必要なものをすべてリスト化し、光の入射角、強さ、反射など光学系の条件を設定。オフラインでのテストに取り組みました。テストを続ける中で、予測もしないデータが出て途方にくれることもありました。しかし、そのときの原因は装置設計の際の仕様ミスにあったことが判明。改善してクリアすることができました。
 こうして、現段階ではオフラインで厚さ100μまでの製品の各層を計測する技術に目途をつけることができました。あとはインライン化に向けて、細部の検討課題が残っていますが、来春にはこの計測システムが生産現場で稼働する予定になっています。
単に多層膜フィルムの各層の厚さを計測するだけであれば、市販の計測機器でもある程度までは対応が可能です。しかし、私たちがあえて内製化に挑戦したのは、この技術をさらに発展させて、厚さ200μ・8層からなる製品をインライン計測できる技術を目指しているからです。食品包装用などに使われる多層膜フィルムは当社の主力商品だけに、この計測技術の確立によって生産性が向上すれば、事業に大きく貢献できます。また、今まで以上に要求品質の高い多層膜フィルムを生産する際の、キーテクノロジーになると確信しています。この開発を通じて、仮説を立てて一つずつ検証しながら形にしていくという仕事の面白さを実感するとともに、プロジェクトを進めていくプロセスについて学ぶことができました。
所属の部署では経験を積むことによって、光学系のスペシャリストとなることを期待されています。ゼロから新しいモノを作り上げる仕事の手応えを感じるとともに将来の目標も決まり、現在の環境に満足しています。今後は、画像認識などの技術にもチャレンジしていきたいと思っています。
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